りとる阿寒湖イズむ

本家「阿寒湖イズむ」からの厳選ブログ記事を紹介!そのほか阿寒湖さんの舎弟パンケヌマのライフログなどをお届けしまぁす

パンケヌマ、自転車を買う。

ちょっと出張がてら、阿寒湖さんに会いに行った。春の桜でも見ながら一緒にシャンディ・ガフでも飲もうかしら♥

「あっかんこさぁ~~~ん!!」

ルンルン(*´Д`)ハァハァ♪ しながら私が事務所のドアを開けると、ソファーで赤ボディコン姿の小麦色の肌をした外国人女性(以下、フィリピーナ)と、額をスリスリしながらいい感じになっている阿寒湖さんの姿が。

「新しい秘書さんですか、綺麗ですね」と、得体のしれないフィリピーナにしっかりとご挨拶をし、阿寒湖さんへ手土産の鴨川プリンを手渡した。受け取るふりをして、きちんと私の〝目つきの悪さ“に気付いた阿寒湖さん。阿寒湖さんは、おもっくそ体重の乗ったカウンター・ニーキックを私の脇腹にスマッシュヒットさせた。グハッ……!

そして腹の肉をガシッと掴み、彼は言い放った。

阿「相変わらずトドってますね」

言葉はそれほど厳しくはないが、明らかにお怒りの阿寒湖さん。

私「えへへ~、3キロ太っちゃいました。私、この季節の変わり目に、長い時間運動や歩いていると蕁麻疹であるけなくなるんですよぉ(涙)」

そういうと、阿寒湖さんは私のスネをちらっと見て、二度見した次の瞬間、おもっくそガンッとスネを蹴った。まじ痛てぇ。

阿「いかにもトドな言い草です。かのトドはいいました“私は足が短いから速く走るように生まれてきていないんです”。それを理由にしたところで、てめぇが陸で死ぬ可能性は高いくせにです。いうまでもなく、その言葉は間抜けなトドの辞世の句でしたけどけどね」

かつてトドと死闘でも繰り広げたのか――エグ過ぎる阿寒湖節。デスクの手元にあったジンジャーエールを阿寒湖さんはぐいっと飲んで、コースターの上に律儀の戻した。

「彼らに限っては、まだ海で生きているだけのスキルを極めてきたから文句はありません。しかしあなたはどうですか。“歩けません”を理由に動かなくて運動をサボってトド化したら、布団にダイブして床ずれたのち、親の年金で子供が万年介護すか。なまいってんじゃないですよ、トドリアさん」

そういうと私のオシャレアイテム・お月さま型のループタイを掴んだ阿寒湖さん。そして、ウオリヤァァアアアェと奇声を上げて、首を引きちぎるんじゃないかというぐらい引っ張った理想の上司フリーザ・阿寒湖。彼は秘書へウィンクを飛ばすと、私を外へ連れ出した。手を振るピーナが笑ってやがる。

阿寒湖の流儀①ママチャリ自転車はとりあえず無難

へぇホームセンターってどこにでもあるんだな…と私が感心していると、阿寒湖さんは「自転車を買う」と売り場へと歩き出した。他人の買い物は即断即決、しかも量販店で選ぶ阿寒湖の流儀。私は涙目。

「いくらもってるんすか?」と阿寒湖さん。買ってくれるんじゃないですか…としぶしぶ財布を渡す。本社出張とあって、私にしては多めに入れておいたのが功を奏した。いや、運の尽きかもしれない。

阿「諭吉三枚で行きましょう。買った自転車で家まで戻れるので、交通費とかいらないっていう計算です」

全額じゃないですか。ここまで来て自腹でママチャリを買いに本社に来るとは思わなかった。ふたたび涙で世界が滲む。

私「良いの選んで買っちゃいましょ!」

阿「ママチャリを“選ぶ”という発想は凡人です。ママチャリには基本的に選択肢はありません」

阿寒湖さんはこう続けた。

自転車にとって違いというのは、用途を考えるということ。持ち運びができるものなら軽い方がいい。デコボコ道を走行するなら、タイヤは空気チューブの入っている方がいい。ロードバイクのようなスピード感を出したいのなら空気チューブが入っていないタイヤを選ぶ――。

などなどなど、自分が買い渋っている間に蓄積されている自転車トリビアを店内でだだ漏らす阿寒湖さんと、それをポカンと聞き流す私。聞き流していると気づいて、左耳に空気キャップを捻じ込む阿寒湖さん。

とにもかくにも阿寒湖さん曰く、

  1. スピード感を求めない
  2. バン一つの荷物は運ぶ
  3. 疲れにくく走行できる
  4. 安くすませる


という条件なら、ママチャリがベストなのだという。

阿寒湖の流儀②凡夫の自転車のタイヤには空気チューブが入っているべき

今回の場合は、田舎道の移動手段として乗るというのがキーポイントだ。そして、阿寒湖さんが熱を入れて語っていたのは、私のド田舎向き自転車選びの極意だった。

阿「あなたの棲息区域はまさに田舎道が多い。チューブがないタイヤの場合、クッションがないため、ダイレクトにお尻に響いてしまいます。いくらあなたのケツが大きくてクッションになるといっても、痛い痛いとなれば乗るのを辞めてしまいがちです。体への負担は少ない方がいい。チューブの修復自体は、素人でも案外簡単にできますし、田舎でも道具が比較的手に入りやすいでしょう」

早速売り場で、私は空気チューブ入りタイヤを探しているが、これがなかなか見つからない。というのも、タイヤの名前が「パンクしないタイヤ」と「パンクしにくいタイヤ」という表記しかされていないのだ。

アレコレさがしていると背後に気配――阿寒湖さんだ。

「そもそも、パンクというのは管が破裂して生じるものです。パンクするタイヤでしか起こりえない。何をしているんですかトドリアさん」

論理的な思考の問題で誰かがポカることに、阿寒湖さんは最上級の怒りを覚える。阿寒湖さんが「あなたには自転車文明は早すぎました。前時代からやり直しましょう」といいながら、リヤカーを売り場にもって会計し始めようとしてきたところを慌てて静止。どうにか私は「パンクしにくいタイヤ」の27インチのママチャリを見つけることができたのだった。

阿寒湖の流儀③30代目前の女は型落ちに弱い

その他、フレームの素材などで2~3,000円程度の誤差はあるものの、「微妙な金額の差で迷ったら高い方を買おう」と我ながら保守的な判断を下し、2,7000円のママチャリを選んだ。

しかし会計に向かおうとすると、阿寒湖さんが一つの自転車を持って歩いてきた。爆発を背後に少女を抱いて歩いてくるかのような出立、ターミネーターのメインタイトルが聞こえてくるかのような雰囲気――私は悟った――あいつ(自転車)、ただものじゃねぇ。

私「それなんですか?」
阿「型落ちす」
私「何が違うんですか?」
阿「その子より、一回りババアです。自転車の世界もシビアっすよね」

今年で30になる私は、その自転車を買わない理由を見つけることさえせずに、そっとハンドルを寄せて売り場へと向かったのだった。大丈夫、これからは私が一緒よ。

私「阿寒湖さんは、売れ残りを拾ってくれるんですね」

阿「私は相手にピッタリのプレゼントを探す天才なだけですよ」

私「……(´・ω・`)

かつして、本社への出張がママチャリ購入へと目的変更となり、どうにかド田舎村まで帰ってきてこれて今日に至る。

案外この自転車は優秀で図書館やコンビニなど、様々な場所に一緒に出掛けている。蕁麻疹ができる場所がスネまわりなのだが、自転車ならスネにあまり汗をかかないので蕁麻疹になりにくいというのも嬉しいところだ。目の付け所が違う阿寒湖さんパネェ……と思いながら、今日もこうして阿寒湖さん一人勝ちな報告書をしたためている。